新宿七福神と寿限無

会社での何気ない会話の中で、最近外人が日本に来て一番行きたい場所は新宿だという話を聞いた。新宿には観光できる場所が特にあるようでもないので、どうしてなのか疑問に思っていた。

この間、実家に帰った時、母親から新宿七福神があるのを知っているかと聞かれた。正月番組で、新宿に七福神がありその特集をテレビで放映していたらしい。それを見て普段モノを喋らない息子と会話の糸口にしようとしたのだ。私は、七福神はどこの土地にでもあり、東京では下谷七福神がもっとも古いコースだと話したら、会話が終わってしまった。

昨日は月島エースレーンで会社のボーリング大会があった。優勝はしなかったけれど、その後の打ち上げがその近くのたんぽぽ愛店メグミテンで行われた。ここはもんじゃを食べに、何度か来たことがある。少し汗をかいたあと少し飲みすぎてしまった。土曜日、少し遅く目覚めた。図書館で借りていたCDも返しにいかなければならない。とりあえず昼飯を食べる為にカメラをぶら下げ出かけることとした。

七福神めぐりは、元旦から七日までの間に、七福神を安置してある寺社を巡拝して開運を祈る行事で、江戸時代は文化・文政年間(1804~29)の頃から盛んになり、各地に七福神めぐりの巡拝路が創設されたそうだ。「新宿山ノ手七福神めぐり」の巡拝路は、昭和中期に入ってから創設されたものだそうだ。正月は過ぎたので人も少ないだろう。山ノ手の七福神を歩いてみよう。

七福神信仰の起源は、室町時代(1336~1573)にさかのぼるそうだ。
恵比寿神エビスシン・大黒天ダイコクテン・毘沙門天ビシャモンテン・弁財天ベンザイテン・福禄寿フクロクジュ・寿老人ジュロウジン・布袋ホテイの七尊神。
これら尊神に祈れば「七難即滅 七福即生」(『仁王般若経』)といって、水害・火災・盗難など七つの災害から逃れられ、生命財産を守る。大黒天は「有福蓄財」、毘沙門天は「勇気授福」、弁財天は「芸道富有」、寿老人は「延命長寿」、福禄寿は「人望福徳」、恵比寿神は「清廉度量」、布袋尊は「愛敬富財」。

以上、人間の七福を七神にあてたものだそうだ。

画像


http://www.the-shinjuku.ne.jp/CONTENTS/HISTORY/TERAJIN/7FUKU/nomal.html

新宿駅で降りる為に、JR浅草橋駅から中央・総武線に乗る。
新宿七福神は、布袋尊の太宗寺が都営地下鉄新宿線の新宿三丁目近くにあるほかは、都営地下鉄大江戸線の沿線に散在している。

新宿の駅から、新宿御苑に向かって歩く、靖国通りと新宿通りと並行して花園通りがあり、東の方に三区画歩くと右側に新宿公園が現れる。太宗寺はこの公園の先を、右に曲がった新宿二丁目にある。

布袋尊 幸福をもたらす神様 霞関山太宗寺 新宿区新宿2-9-2

境内には、江戸六地蔵のひとつとして造立された銅造地蔵菩薩坐像(都有形)がある。閻魔堂もあり、都内最大(4.8m)の閻魔像と奪衣婆像がある。柔和な布袋さんはいなかった。

画像画像














私は昼に歩いたので問題は無かったが、新宿二丁目は、男が夜歩いてはいけない場所だと関東住人に聞いた。

新宿駅の方向に向かい、歌舞伎町を通り新宿コマ劇場を過ぎて、さらに北に歩く。職安通りを東に進むと都営大江戸線の東新宿駅の手前に鬼王神社がある。職安通りは韓国風の店でいっぱいだ。キムチの匂う店の多いなか、中年のおばちゃん達が韓流スターのブロマイドをのぞきこんでいた。

恵比寿神 魚、農、商業の神様 鬼王神社 新宿区歌舞伎町2-17-5

画像画像














5~6人の熟年のグループがカメラやパンフレットを持ってまいっていた。この人たちも、遅い七福神を回っているのだろうか。都内唯一で、江戸時代から伝わる稲荷鬼王神社には干支由来があるそうだ。
今年の干支「子」は、植物の芽が出てくるところをあらわした字の形をしている。物事の始まり、新しい力が出てくることをあらわしている。小さなねずみが時間をかけることで大きな柱を倒す話は、小さな事でも継続の力の強さがあるということを教えてくれる。今年考えなければならないことは、前年から引き継いだ事を継続することの大切さと同時に、何かの終わりがあっても、それを新しい始まりとしなければならない。
と境内に置いてあるパンフレットに書かれていた。

東新宿駅をさらに東に進むと、抜弁天通になる。新宿七丁目には、永福寺がある。

福禄寿 幸福、高給、長寿の神様 大久山永福寺 新宿区新宿7-11-2

画像画像














この道は抜弁天通りという。抜弁天の角には巌島神社がある。その手前には、なんちゃって志村軒。訳のわからないラーメン屋があった。なんでも店主はこの時間、「パトロール中だっ屁」だそうだ。

画像


弁財天 芸術・学業の神様 厳島神社 新宿区余丁町8-5

画像画像














芸術・学業の神様だそうだ。今、練習しているのは「なんちゃってジャズピアノ」少しは上手くなるのだろうか。

寿老人 長寿の神様 春時山法善寺 新宿区新宿6-20-16

すぐ近くには、西向天神がある。突き当たったら左折すると、そこはまねき通りだ。左側に法善寺があった。

画像画像














日蓮宗の寺院で、山の手七福神のひとつ『寿老人』をまつるほか、本堂には保存状態も良好な極彩色の『七面明神像』(新宿区指定文化財)が安置されている。七面明神とは、山梨県身延山の北にそびえる七面山に住む女神のことだそうだ。

抜弁天は大江戸線の東新宿と若松河田の丁度真ん中辺にある。東に向かって歩くと、若松河田の駅が見えてくる。さらに歩き牛込柳町で、大久保通りを南に渡ると、経王寺があった。

大黒天 五穀豊穰の神様 大乗山経王寺 新宿区原町1-14

画像画像














大黒様もいた。

毘沙門天 厄除け、難除け、財産をもたらす 鎮護山善国寺 新宿区神楽坂5-36

牛込柳町から牛込神楽坂まで歩くと、神楽坂通りにぶつかる。ここは前に来たことがある。神楽坂奇譚の舞台となっていた場所だ。右側に善国寺がある。

画像


http://takeone0124.at.webry.info/200707/article_2.html

植松眞人の神楽坂奇譚の最終の舞台だ。この前来たときには、私は誰にも声をかけられないようにひっそりと歩いた。しかし、毘沙門天は本来、厄除け、難除け、財産をもたらす神様だったのだ。
私にはまだどの七福神も現れない。でも、悔しがる啜り泣きと、般若心経を読む声を毘沙門天の裏手から出していないのでよしとしよう。

新宿コマ劇場を通り、新宿を歩いていると、山下洋輔の「寿限無」を思い出した。もう数十年前だ。ジャズのレコードを買えないので、FMラジオをしきりに8トラックのテープに録音して聴いていた。その中で、何度も繰り返し聴いた曲だ。インターネットで調べると、山下洋輔の世界Vol.1で、レコードになっているそうだ。帰りに中央線でお茶の水で降りて、Jazzのレコード・CDを扱っている専門店(ディスクユニオン御茶ノ水ジャズ館)に行った。CDになっているなら久しぶりに聴いてみたい。あの時の高揚感を味わってみたいと思った。でも残念、CDにもなっていないし、レコードも廃盤になっていた。(1981年2月17日録音、日本フォノグラム発売)

画像


かすかな記憶の中では、落語の「寿限無」が、フリージャズのリズムの中で、坂田明の歌声で新宿コマで演奏されていた。寿限無の名前をすべて歌い、最後のリフレインは圧倒的な音量で、坂田明が「新宿コマ劇場、美空ひばり」と叫んでいる。異様な音の塊と異様な叫び声が印象的だった。

でも、今の新宿コマ劇場では、綾小路きみまろの舞台となっていた。

画像


落語「寿限無」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BF%E9%99%90%E7%84%A1

寿限無、寿限無
五劫の擦り切れ
海砂利水魚の
水行末 雲来末 風来末
食う寝る処に住む処
やぶら小路の藪柑子
パイポパイポ パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの
長久命の長助


とりあえずめでたい名前をつけようとして、最後は長助というめでたい名前となっている。
めでたい話となるように、今度実家に帰った時には、新宿七福神を参った話をお袋にしよう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック